IT中間管理職のリーダーシップタイプ / Types of Leaderships for IT Managers. |
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組織管理をするべしと言われたら
IT技術者だった頃は、ずっとプログラムをしたり、仕様書を書いたり、現場を走り回ったり、ネットワークケーブルを引いたりしていました。根回しなどをすることはありましたが、それは必要最低限だったり、上司に頼んだりしていました(なにせ自分は”技術者”と思って仕事をしてきましたので)。つまりリーダーシップやマネジメントを意識せずにキャリアを積んでいました。ビジネス書を読まなければとか、自己啓発しなければとか思っていませんでした。IT技術者の傾向として
- 技術志向で技術書を読んだり、資格試験を受けたりする
- マネージャー思考でビジネス書をよく読んだり、勉強会に参加したりする
という二極化だと思います。私は圧倒的に前者で、新聞も本当にざっと読むだけで、経済欄は読み流しでした。何が面白いのかさっぱりわからなかった。技術書は月に数万円かけてでも読んだりしてました。まだまだネット上の情報は少ない時代でした。こんな技術志向の人でも、日本の企業では中堅になって、それなりに成果を出すと「アイツもそろそろ管理をさせてみるか」とか「管理職をやってみないか」とプロジェクト・リーダーになったり、後輩ではなく部下がつくようになったりするわけです。
最初はプロジェクト・マネジメントの技術論からで良い(自分の経験から)
私がこの時期を迎えたときは、プロジェクト・マネジメントの師匠が会社にいて、プロジェクト・マネジメントの手法をコーチングしてくれました。PMBOKのフレームワークでPMスキルを徹底的に叩きこまれました。理解に苦しむこともたくさんありましたがPMBOKが”フレームワークに基づいた技術論”であるということがとても腑に落ちて、どんどん吸収できたと思います。結果として、プロジェクトの規模は大きくなっていき、それなりに成果を出せるようになりました。このときのプロジェクト・マネジメントのスキルアップが私のマネジメントの礎で、その後の管理職としてのメソッドのベースラインになっています。
参考;IT中間管理職~プロジェクト・マネジメント
本当に管理できるのは10名くらいまでじゃないか(自分の経験から)
「将に将たり」という言葉があります。
Wikipedia – 韓信
技術者だってチームを組みます。上述のように小さいチームからスタートしても、やればやるほどスコープは広がり、ステークホルダーは増えていきます。それでもITの世界で現場を見て本当に管理できるメンバーは10名くらいが最大なのではないかと私は考えています。著名な経営者でも最大5名くらいまでとかおっしゃる方もいますね。数十名のプログラマーを率いることや、数百人の会社のエグゼクティブであることは、私が考える中間管理職の本質ではないです。本当に目を配れるチームは10名前後であり、上位になって本質的なチームリードをするならば「将に将たり」でピラミッドを登っていくしかないのです。但し、広く影響力を持っていることは必要で、社内のコネクション形成や社外での人的ネットワークなどは時間をかけて自分の財産として作っていくしかないですね。
技術志向なら「ヒーロー型」リーダーにはなれない
ゼロとは言いませんが、元来技術者だった人がヒーロー型のリーダー(カリスマ・リーダー)にはなれないと思います。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックの関係がわかりやすい例です。本田総一郎のような例は稀です(彼には藤沢武夫という名参謀がいたので逆パターンですね)。まして、技術が多様化する今後はこの傾向は強いでしょう。では技術者はどのようなリーダーを目指せば良いのでしょうか。私が考えるリーダーシップは3種類です。
- ヒーロー型リーダーシップ
- サーバント・リーダーシップ
参考;チーム力を発揮する”サーバント・リーダーシップ”~IT中間管理職のイマドキ・リーダーシップ・スタイル - サイレントリ・ーダーシップ
参考;“サイレント・リーダーシップ”~IT中間管理職が拠り所にするリーダーシップ
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技術志向のIT中間管理職が目指せるのは「サーバント・リーダー」か「サイレント・リーダー」です。”サーバント・リーダーシップ” はリーダーが奉仕的なサポートをすることでメンバをマネージします。”サイレント・リーダーシップ”は粘り強さ、自制、謙遜さを駆使しながら、徐々に自分の影響力や行動範囲を広げていくマネジメントスタイルです。
特に”サイレントリーダー”は自分の信念と粘り強さがポイントで、技術者に向いているスタイルだと私は思います。加えて”人間力”(哲学やリベラルアーツなど)や細かいツール、メソッドが必要なのは、リーダー以前にプロジェクト・マネンジメントをやっている時点で身につけておきたいスキルです。
技術者から中間管理職へのキャリアアップ・ポイント
もしあなたがカリスマ・エグゼクティブ(ヒーロー型リーダー)を目指すのであれば、他の情報を見て下さい。私は自分が”技術者”であることを捨てずにキャリアアップしたい、でも、一介の技術者でも終わりたくないのです。ヒーローにはなりたくないですが、マネージャーではいたいのです。
では、そうあるためには何をしてきたのか。
- 得意領域を持って、やりきる
まずは技術者として”尖っている”部分を持つこと、結果を出すことが大切です - プロジェクト・マネジメントはできるようになる
ITで大きな仕事をやろうとしたら例え技術者でもプロジェクトのマネジメントは絶対必要ですし、管理職としても有効なスキルです
参考;IT中間管理職~プロジェクト・マネジメント - 技術書だけでなく新聞、ビジネス書も読む
ビジネスを語ろうということではなく”情報の偏りを無くす”のが目的です
これらを踏まえて、少しずつサーバント・リーダーやサイレント・リーダーのメソッドを増やしていくのがやりすいと思います。
まとめ
技術にこだわってマネジメントするなら”サーバント・リーダーシップ”と”サイレント・リーダーシップ”がそのスタイルです。把握できる規模は多くても10名、スコープが増えたら”将に将たり”です。そのためにも人との繋がりは大切に増やしておきましょう。
また、技術者としてきっちり成果を出した経験、プロジェクト・マネジメントは会得しておくのが前提です。
本は何でも読むようにしておくと、ツールやメソッドの手数も多くなりますし、経験を積めば積むほどの”俺なりのスタイルの確立”がしやすくなります。特に読書はまんべんなくすべきで、ビジネスの古典文書は一通り読んでおくべきです。
– 19th Mar, 2016 / the 1st edition
– 24th Aug, 2016 / the 2nd edition 他記事との整合のためリライト
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