IT中間管理職が実践してきたロジカル・シンキングとは / Practical “Logical Thinking” for IT Managers.

   2016/07/21

  • トピック;実際にロジカルシンキングを実践するには
  • ポイント;考え方に理論を持つこと、何故の結論なのか自分でわかっていること
  • キーワード;話し方の理論、何が求められているか、結論、根拠、方法、短いメッセージほど良い
  • Topic; What is a Practical “logical thinking”?
  • Points; Managers should have theorized for their own way of thinking and “The reason why” for their own conclusion.
  • Keywords; Theory of thinking, What is required?, Conclusion, reason, route (way), and shorter messages are better.

話し方の理論を持っているか?

技術者の時は”技術絶対”です。説明の中心は技術なので技術的には理論的でも、話の流れは自分の考えのままです。つまり”説明のための方法論”を持たなくても仕事をしている人が多いです(私はそうでした)。しかしながら管理職になりマネジメントをするようになると調整、交渉事が多くなります。「それがどうした?(So what?)」に答えられなければなりませんが、技術的なことのように答えは1つではありません。自己流の話し方から、理論的に具体的に相手に判りやすく伝えるということが必要になります。”いちいち話す内容に理論を付ける”ということがロジカル・シンキングなどだと思います。たまに考えるとかではないです。いつも同じ理論でブレずに話す、ということです。

自分の言いたいことを話しても伝わらない

あたりまえです。ビジネスでのスコープが広がれば広がるほど利害関係はトレードオフになり、人や会社も多様になります。そこへ”自分の思いの丈”をぶつけても、So What?になるだけなのです。

大事なことは「あなた」が言いたいことではない。「あなた」が大切だと思っていることでもない。それが、相手にとって、伝えられることが期待されている「メッセージ」になっているかどうかなのだ。

出典;照屋華子・岡田恵子著「ロジカル・シンキング」(東洋経済新報社)ISBN;978-4492531129

自分の持論は”相手は変えられない、自分は変えられる”です。つまり、”聞くスタンスを変えてもらうことはできない”ですが”どんなメッセージで伝えるか”は自分で変えることができます。その伝え方のツールを持っておきましょうということなのです。

反応をキャッチするまでが”伝える”こと

コミュニケーションするための議題、課題があります。それに対するメッセージが自分の裁量で”変える”ことができる部分です。但し、そこで終わりではなく、伝える相手がいるわけですから、相手がどう受け取るかという”反応”があり、それに対して二の手のメッセージが打てますが、ここにロジックが無ければ反応も悪くなりますし、二の手も一の手の繰り返しになります。

  1. 議題、課題の認識
  2. 相手に合わせたメッセージ
  3. 相手の反応を受けての二の手

ロジカルにコミュニケーションをキャッチボールするためにロジカル・シンキングを使いましょう。

言いたいことだけを言っていないか~ロジックと私の経験から

課題、議題に対する答えの要素は3つです。これがメッセージの要素だと思います。

  1. 結論
  2. 根拠
  3. 方法

です。
結論は言い方はとも話から漏れることはないでしょう。但し、理屈をコネないようにしましょう。ついつい一生懸命調べたこと、普段から考えていることから話してしまいます。大抵、相手にとってはポイント以外はどうでもいいことです。話を聞くたびに「私がどれだけ苦労してこの結論にたどり着いたか」なんて聞きたくないですよね。逆に管理者の立場となると何度も苦労話を聞くことになります...
→「で、結論は?」と言われないメッセージを発信する
根拠、方法は抜けがちです。中間管理職は受ける指示が曖昧なことが多いですが、負の連鎖はここで止めなければいけません。「状況を見ながら判断していきます」「収益の良い地域は展開を加速します」などの定性表現は根拠に欠けます。「プロジェクトの進捗率が90%を維持していますから、遅れを最大20%としても人員の追加投入で間に合います」とか「収益20%でライン引きをして分類すると全体でプラスの収益になるためには10拠点以上がラインを越える必要があるのです」などとなります。数字と理論があれば聞く方も納得しやすいです。とにかく聞く方は「何とか粗(あら)を探してやろう」という気持ちのことが多いのです。
→具体的な数字や施策を語って根拠を納得してもらう

シンプルに

話は短いほど良いとよく言いますが、”メッセージを短くする”を意識するだけでギュっと内容が詰まります。ズバっと話をして「それがどうした?」とは言われたくないですよね。この意識だけでロジカルに考えようというバイアスがかかります。そのバイアスにツールを使って根拠、方法がついてくるように考えましょう。短くするためには抜け漏れ・ダブリは禁物ですし、話の抜けや重複は聞く側もストレスです。よくありますね「それ言うの何度目だよ...」と言うことが。
そのためにロジカル・シンキングのツールとしてMECEがよく語られるのです。自分の言いたいポイントがあり、プレゼンしようとすると、持論にどんどん装飾をしてゴテゴテとした言葉回しや資料になって肥大化していく。「ここはポイントだ」から「念のためこれも言っておこう」とか「この言い方も加えた方が根拠になるのではないか」と思うことがあります。一人で黙々と資料を作っていたりするとありがちなシチュエーションです。大学時代の恩師に「内容がノーベル賞ものなら卒論はA4一枚だっていいんだ」と言われました。極論ですが言いたいことはわかりますね。メッセージを装飾することと、結論、根拠、方法を網羅することは全く違います。

まとめ

話し方の理論を持ちましょう。我流、感覚論では大きなスコープのビジネスには対応できません。
”何を言いたいか”を持ちつつも”何が求められているか(聞きたいと思われているか)”を考えてメッセージを伝えましょう。
メッセージの要素は結論、根拠、方法の3つです。
話は短く、装飾はしないて短いメッセージほど良いです。
また、どうやってロジカル・シンキングを身につけていくかという文章も書いています。
参考;IT中間管理職が実践してきたロジカル・シンキングとは

– 4th Mar, 2016 / the 1st edition

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