IT中間管理職の会議の進め方フレームワーク / The Framework of a Meeting to Facilitate for IT Managers.

   2016/07/21

  • トピック;会議でファシリテーションするにはどうしたらよいか
  • ポイント;結論の腹は決めておく、意見を引き出し納得感を得る、意見は聞いて何等かの形で受け入れる
  • キーワード;事前のゴール決め、時間配分、メンバーの納得感、Win-Winの関係
  • Topic; How to facilitate at a meetings.
  • Points; Make up the mind before the meeting. Pick all opinions up to get agreement. All opinions should be accepted.
  • Keywords; Fixed goal in advance. Allocation of time. Agreement of members. Win-win relationship.

「決めるための会議」をしていないか

議題があって結論がある。当たり前です。
しかし、会議はアイデアを出すための場なのでしょうか?アイデアは出そうと思って出るものではありません。事前検討したアイデアを持ち寄るならともかく、その場でブレーンストーミングしようというのはマネージャーの(少なくとも会議の場での)仕事ではありません。ましてや「挙がったアイデアを多数決で決めましょう」などと言い出すと、これは意思決定でも何でもなく”ただの場の流れ”です。

”落ち”は決めておく

会議の時間は限られています。また、会議にかかる工数を考えた事がありますか?シニアクラスのエンジニアとマネージャーを集めたらちょっとしたシステムの機能が何個か作れてしまうコストです。なので、マネージャーが会議に臨む際、以下は”腹決め”しておく必要があります。

  1. 結論;きっちりしてなくても良いが”ビジョン”を示せること、定量有期のアクションアイテムに落とせること
  2. 時間配分;ウォームアップ、ディスカッションで半分、ゴールへの誘導で1/4、ラップアップで1/4が目安です。
  3. 想定意見;意見(特に反対意見)が出ないようでは真剣に聞いてもらえていません。真剣に聞いてもらった前提で何が言われそうか、カウンターはどうするかは思い浮かべておく必要があります

もちろん、アクションアイテム、その期限、話が暴走したときのコンティンジェンシーとか考えればきりが無いですが、私はこの3つを意識して会議に臨むようにしています。逆にこれらが意識できないときは誰かに任せてしまうか、”負け戦”となります。

納得感を得る

会議の本質はこれにつきると思います。ディベートでもなければ”相手を打ち負かす”場ではありません。相手が自分のメンバーだったり、クライアント、ユーザだったり、上司だったり、パワーバランスも様々です。
相反する利害関係を持ちながら「この辺が落としどころだろうが簡単に譲りたくない」という想いのすりあわせです。それでも「よし、これでいこう」「まぁ、いいか」「これなら上司やメンバーを説得できる」と出席者が”納得する”ことが一番重要なのです。そのため、マネージャーは”腹に一物”持ってゴールをぶれないようにしておきつつ、納得感を得る場を作るようにしましょう。(会議はブレストの場ではありません)

  1. 納得感を得るために出席者の意見は全て引き出す
  2. 意見を踏まえてゴールへディスカッションを誘導する
  3. マネージャーが結論を決める
  4. アクションアイテムのディスパッチとアイコンタクトで納得感の確認
  5. 次のマイルストン、チェックポイントの共有

注意してほしいのは、当初のゴールを全く動かさないということではなく、意見を踏まえ、活性化し発展させることはとても重要です。ゴールをよりよいものにブラッシュアップしましょう。

私の経験(タイムライン)

時系列で表すと以下のようになります。”俺なりの会議フレームワーク”です。
framework_for_a_meeting_itdiy
ppt file

ゴールへの誘導1~マイノリティのピックアップ

会議での意見はできるだけ”かき混ぜ”ましょう。大抵は”声の大きい人”の独壇場になります。それはポジションだったり、クライアントだったり、性格だったりしますが、放置すればその人たちの意見にバイアスがかかります。誘導したいゴールとは異なっても、マイノリティの意見はピックアップすべきで、これにより、全体のディスカッションの活性化とマイノリティの納得感が得られます。
メジャーな意見はみんなわかっていることばかりですから、マイノリティに目を向けてこそのディスカッションと言えます。(どうしようもない小粒や個人的な意見はきちんとフィルターしましょう)

ゴールへの誘導2~Win-Winのおみやげ

議論するだけでは全員の納得感は得られません。特に”声の大きい人”は「何かを勝ち取ってやろう」ということが会議の参加意味になっています。そのためには、何か”会議で勝ち取った”と思わせる結論を持たせる必要があります。押し付けになってはいけません。

  1. 出席者が何を持って帰りたいのか
  2. 自部門や自作業で何があれば報告や作業がしやすいのか

を意識して、何か情報=おみやげを持って帰ってもらいましょう。会議終了時にWin-Winになっていることが必要です。

結論を出すために

最後は理由を付けて結論を出しましょう。(状況を見て「意見が多いからこれにします」とか「少数意見でしたが今後の事を考えるとこれになりますね」とか)会議の中で結論が醸造されたという認識を作り出すことが重要な点となります。
また特に”声の大きい人”には”おみやげ”を持って帰ってもらい、納得感を得て終わるようにしましょう。声の小さい人もアイコンタクトで言いたいことが言えたか確認しましょう。普段から意見を言いやすい風土を作っておくことも大切です。
ここで問題があった場合、タイムアップですので、持ち越すしかありません。結論と合わせてアクションアイテムにしましょう。
自分の腹は決まっているわけですから、アクションアイテムはメンバーに有期(期限を決めて)でディスパッチしましょう。マネージャーが抱えても時間の浪費です。但し、期限までの間にアクションを抱えたメンバーのフォローやロビー活動は必須です。メールなどは使わず、直接口頭のコミュニケーションでフォローするとスムースです。

まとめ

時間に追われていて、ITツールが大好きなITマネージャーはとかくオンラインでコミュニケーションしがちです。なので、会議という直接会話はとても大切。
ただし、アイデア出しや選択肢決め=多数決のために会議をするのはナンセンス。うまくファシリテートしましょう。
アイデアは日常から出てくるもので、戦略選択や方針はロビートークで調整するのがマネージャーです。


– 3rd Mar, 2016 / the 1st edition

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