IT中間管理職がプレゼンで注目されるたった2つのポイント / Only Two Points of Presentation for an IT Middle Manager. |
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IT中間管理職にとってのプレゼン/スピーチ
サラリーマンとしての中間管理職であれば話す場のパターンは以下の3つだと思います。
- 全体組織の中での職制としての説明(エグゼクティブへのプレゼン)
- 自組織への説明(部下へのプレゼン)
- セレモニー、飲み会、教育など(上でも下でもない)
いずれのパターンにおいて、上を向くにも、下を向くにもポイントは2つだけです。
- メッセージは1つ
- リハーサルをやっておく
どちらも当たり前ですね。いつも実践できていますか?テクニックはいくつもあると思います。でも気をつけるのはいつもこれだけです。
メッセージは1つ
プレゼン論では良くいわれます「シンプルに」「ロジカルに」「わかりやすく」などです。方法論は色々ありますが、ポイントは「1つのプレゼンで、言いたいことは1つだけ」という鉄則を守り切れるかどうかです。以下は私の経験からありがちな失敗パターンです。
- 辛い提案のため”言い訳”が先行し、肝心なポイントを言えない
「なぜゆえこのような高いコストになったのかには理由があります」などを先行し、肝心の提案主旨を後回しや低いトーンで語ってしまうパターンです。 - 提案テンプレートが決まっていて、その通りに説明してしまう
一見、心地良いプレゼンに見えなくもないですが、最後に「で、何が言いたかったの?」となる。情報の羅列にしかなっていない。メッセージが無いプレゼンになってしまうことがあります。 - どうでもいい話、内容の無い話をしている
マネージャーとして恥をかかない程度の話をすればOKのときもあります。”すべらない”程度にそれらしい話をしてやり過ごすこともあります。例えば、期初訓示として「前年度は非常に苦しかったですが、今年度は優秀な皆さんの力をかりて躍進します」などと、根拠なく曖昧なゴールを示してしまうことがあります。
プレゼンをする前に「これだけは伝えよう」「聞き手が聞きたいのはこのポイントのはずだ」ということを”1つだけ”に絞りましょう。プレゼンはせいぜい数分から10分程度です。1つだけでも伝われば”すごいプレゼン”です。また、1つだけに絞ることで自然と「シンプルに」「ロジカルに」「わかりやすく」なります。
リハーサルをやっておく
メーカーの新商品発表や、オリンピック会場の誘致など大舞台のプレゼンでは何百回、何千回もやるのかもしれませんが、普段からそんなにやっていては時間がありません。(5分を1,000回やったら丸三日以上プレゼンだけやってることになります...)1回はやりましょう。但し、1回リハーサルをやることで、以下のことが大抵わかるはずです。
- 強調ポイントの確認
”1つだけ”にしたポイントがきちんと資料に描けているか、話しやすい流れになっているかを確認します。とはいえ、リハーサルをやっている時点で資料の方針変更はしない方が良いでしょう。”どうやってポイントを強調するか”を考えましょう。 - プレゼン時間の確認
ぶっつけ本番で時間調整できるわけもなく。時間の確認は絶対必要です。また技術者あがりの管理者は理屈に走って情報量が多くなったり、早くなったりします。(私のことです...)そのため”ゆっくり話す”、”1文読んだあとは一呼吸置く”くらいで、どれくらいの時間になるのか押さえておきましょう。 - 誤字脱字、不適切な表現の確認
中間管理職にあがってくる原稿は部下が書いたり、自分が業務の合間に書いたりしたものなので、直前に読んでも99%不備があります。本番のつもりで読めばそれを防げます。
私はこれらの確認のために1回、修正後(最終資料で)1回、発表直前に黙読で1回の3セットを基本にしています。大舞台や昇格面談プレゼンなどであれば10回以上はやると思います。
ケース毎のパターン
この2ポイント以外では、もっと掘り下げるとケース毎にやり方は違ってきます。
- 全体組織の中での職制としての説明(エグゼクティブへのプレゼン)
まず、ある程度の規模がある組織ではフォーマットやスキームが決まっていることがあります、資料では個人の裁量が入る余地が少ないでしょう。なので、- 組織が求める情報になっているか
- その中で自分の言いたいこと(1つだけ)が言えているか
- 余計なことを言ってないか(エグゼクティブへダラダラと説明していないか)
といった視点で事前確認してプレゼンします。但し、企画部門だったり、ラインの管理職でも機会は少ないかもしれませんが、大胆に攻めるときもあるでしょうから、そのチャンスは思い切って攻めてよいと思います。
- 自組織への説明(部下へのプレゼン)
プレゼン資料や話す内容への裁量の余地は大きいでしょう。何せ自部門ですから。聞く方(部下たち)も「まずは聞こうか」というスタンスです。しかし、聞く立場になってみてください「くだらない話でも上司だから一言一句聞き洩らさないようにしよう」と自分自身が思ったことがありますか?(私は無いです)なので、以下のポイントを気をつけます。- ”つかみ”で「この人の話を聞いてみよう」と思わせられるか
- 部下が聞きたいことを話しているか
- メッセージを1つだけ伝えているか(曖昧な言葉ではなく、実際にアクションできるメッセージ)
- セレモニー、飲み会、教育など(上でも下でもない)
まったく聞いてくれないところから入りますよね。でも自由度は一番です。職制として何か言わなければいけない、そんなケースです。正直流すのもありだと思いますが、せっかくなので”良いチャンス”にしたいところです。いつも「言いたいことが言えない」と思っているなら、言えるチャンスなのです。- 自分のプレゼンスタイルを貫けているか
- 聞く人の心をつかめているか(「この人の話は面白い」と思わせているか)
- メッセージ性の高いプレゼンになっているか(私は「暑苦しい」くらいでちょうどいいと思います)
それぞれのケースでの掘り下げ方は別途語りたいと思います。
まとめ
ポイントは2つだけ。
- メッセージは1つ
プレゼンはせいぜい数分から10分程度です。1つだけでも伝われば”すごいプレゼン” - リハーサルをやっておく
内容確認のために1回、修正後(最終資料で)1回、発表直前に黙読で1回の3セットを基本
中間管理職のプレゼンパターンは3つ。
- 全体組織の中での職制としての説明(エグゼクティブへのプレゼン)
- 自組織への説明(部下へのプレゼン)
- セレモニー、飲み会、教育など(上でも下でもない)
それぞれにテクニックあり。
–3rd Apr, 2016 / the 1st edition
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