IT中間管理職から部下へのプレゼン / Presentations from an IT middle manager to members. |
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”聞きたいこと”を話しているか
IT中間管理職がプレゼンで注目されるたった2つのポイントで”メッセージは一回のプレゼンで1つ”と強調しましたが、部下へのプレゼンは”部下が聞きたい情報”を1つにしなければなりません。全ての部下が上司の言うことをメモしている訳ではないし、聞きたくないこと、納得できないことは聞き流されますね。部下には色々な考えがある=聞きたいことは個々に異なるし、中間管理職の部下のスキルや理解力にはかなり”ひらき”がありますよね。
プレゼンは最初が勝負”1つのフレーズ”を残せ
プレゼンは最初、いわゆる”つかみ”がとても大切です。特に部下へのプレゼンでは資料よりも言葉が勝負です。アプローチはいくつかあると思いますが、技術者あがりの私は”パワーフレーズ”を決めて”突っ込む”ことにしています。フレーズの選び方に結果が左右されますが、シンプルで伝えやすい手法だと思います。複数の部下に対して一回のプレゼンで1つのフレーズが残る、で十分ではありませんか。
”パワーフレーズ”を選ぼう
中間管理職は企業活動の現場です。なので、総花的な社是のようなものでは”パワー”が足りません。色々な部下がいるとは言え、貴方の組織ミッションがあるはずです。
例えば「グローバル化の中での危機に一丸となって目標を達成しよう」というようなものです。
そうではなくて、「俺はこれを期待している」->「ははぁ、なるほどねぇ」という流れが必要です。つまり、説得力、納得感といったものです。つまり、以下のようなことだと私は思います。
- OK;食べなければ痩せる/スコープを変えてコストを下げる
- NG;食べても痩せる/品質を変えずにコストを下げる
また、”熱く”語るのも私は大切だと思います。プレゼンする人自身が「このフレーズが最高」と思っていないと薄っぺらい言葉になり絶対伝わりません。中間管理職へのチャレンジはいつもトレードオフがあります。それでも”一生懸命”フレーズを考えてフレーズを選ぶ必要があります。
私が実際に考えたり使ったりしてきたパワーフレーズも紹介していますので、合わせてご覧ください。
参考;IT中間管理職が使うパワーフレーズ
メッセージには矛盾がありがち
基本的に中間管理職に求められるプレゼンはトップダウンからの説明になります。そうすると、”部下が聞きたいメッセージ”、”自分が発信したいメッセージ”もトレードオフになります。そもそもトップダウンのメッセージが曖昧なんてことはよくあります。それでも中間管理職はリーダーとして矛盾に立ち向かう必要があります。上は「あれを説明しろ、これを説明しろ。そして数字で結果を出せ。」と言いますが、下は「何をやればよいのかわからない。自分はこれをやりたいのに。」という意識の狭間で私たちはメッセージを発信しなければいけないのです。
話が”長く”、”難しく”なってないか
”話を聞く側”だと長い話はイヤですよね。でも、なぜか話す立場になると、長くなりがちです。しかも、聞かれない。なぜかというと”自分が話したいこと”を話しているからです。自分が話したいことですから、熱く語ってしまい、長く、濃く=難しくなってしまいます。熱く語ることは必要ですが、聞かれもしないことを熱く語っても空回りです。
ポイントは
- 部下が聞きたい言葉でメッセージを伝える
- その中に”パワーフレーズ”を使って自分のメッセージを載せる
- 曖昧な言葉ではなく、実際にアクションできるメッセージで伝える
です。
部下をプレゼンに巻き込め
数十人から百人以上の”マス”な部下へのプレゼンもあると思いますが、中間管理職のほとんどは数人から十数人の規模でのプレゼンだと思います。
「先期のわが社の営業利益は?」「今期の予算を覚えていますか?」
などと精緻な数字を振る人がよくいます。自社の業績を数字で知っておくことは当然大事なのですが、私もそうでしたが、技術畑にいるとどうしても数字には疎くなるメンバーもいます。そうすると「数字を覚えて”おかなきゃ”」などとネガティブなやりとりになります。営業、企画分野の部門は当然な情報ですが、技術者にとっては極論で「どうでもいい」数字だったりします。(と上司に言って、小一時間お説教を頂いたことがありました...)
なので、私は「あなたはどう思う?」を使うようにしています。日本人、特に技術者は思っていることを言わず、ディスカッションに入ってきません。想いはたくさんあるのに、です。だから、言いたいことを引き出すようにして、プレゼンに巻き込み、メッセージが一方通行にならず、インタラクティブに認識できるようにプレゼンを進めます。そのとき、振ってはいけない人も当然いますけどね...
まとめ
サマリすると以下になります。シンプルですけれど、自分でプレゼンしようとすると、つい逸脱しますね。ポイントを絞って準備しましょう。情報量は少ないほど伝わります。
- トップダウンのメッセージではなく”部下が聞きたい”メッセージを発する
- それでも組織ミッションを盛り込む
- 短く、わかりやすい”パワーフレーズ”を繰り返す
- 聞いてもらえる話とトップダウンメッセージの矛盾にはリーダーとして逃げずに取り組む
- 部下の意見を聞き出しインタラクティブなプレゼンにする
以上
– 9th July, 2016 / the 1st edition
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