IT中間管理職にとってのロジカル・シンキング / “Logical Thinking” for an IT Manger.

   2016/07/21

  • トピック;IT中間管理職にとってのロジカル・シンキング
  • ポイント;仕事の軸を持つこと(パッション)、感情に流されないこと、軸を守ることでロジックを持つこと
  • キーワード;仕事の軸、パトス、ロゴス、エトス
  • Topic; “Logical Thinking” for an IT Manger.
  • Points; Have “Axis” (Passion) for business, Don’t be lost in emotion, Guard Axis to have a logic.
  • Keywords; Axis of a business, Pathos, Logos, Ethos. (Aristoteles’s words)

実は解なんて無いのではないか

なぜロジカル・シンキングが必要か、ロジカル・シンキングとは何にかなんていう情報はいっぱいあります。どんなマネージャーを目指したいかで変わると思うのです。カリスマ、浪花節、仏の上司、鬼の上司...。ここで性格分析は行いません。私は専門家ではないですし。ツールやフレームワークはあるにせよ、自分の立っている場所と目指す場所でその使い方はやっぱり変わるんだと思います。

まずは「軸」を持とう

駆け出しの頃の私の場合は、同業の他の人に比べ能力、技術共に秀でている部分は全くないと思っていました。そのため、自分が信じられる軸は”時間”と”社内ブルーオーシャン”。人の2倍かかるならその時間をかけて、社内で誰もやらない仕事をあえてをやる、という信条を持ちました。これは今でも変わっていません(そろそろ変えなくてはとは思っていますが)。但し、やってきて思うのは”軸の上にロジックはある”ということです。軸を持っていても仕事はキツいですから、ブレそうになります、流されそうになります。その時に「何とかして軸を守ろう」と思う事が今思うとロジカル・シンキングだったのだと思います。

何がロジカルか

繰り返しになりますが、自分の軸、ゴールを明確にしてきたこと(ビジョン、言葉)が一番ロジカルだったと思います。

  • 相手に納得してもらう事(一番大切。結局何が言いたいの”So What?”と言われないように)
  • 誰が正しいかではなく何が正しいか(自分の言いたいことだけを言わない、聞き上手)

では技術者から管理者へ変わるとロジックは変わるのかというと違います。よりロジックが大切になるだけです。スコープが広がるので、信念的な”軸”だけでは判断しきれなくなります。

私の経験

かつて技術者だった頃の私はパワープレイヤーでした。
参考;IT中間管理職のための攻めのキャリアアップ
問題が発生したら何日でも徹夜して解決する。資料作成、技術調査、課題調整、何でも自分で解決(あるいは協力者を探してやりきる)。でも、政治問題やチームビルドは上司に任せる。だから”軸”だけでも仕事ができる、という状況だったと思います。マネジメントするようになると、課題やメンバー間のトレードオフはどんどん増え、自分の考え方だけでは判断できなくなります。
例えばこんな感じです。

  • 自分が専門職でこれだけやればカバーできるのに
  • 自部門のミッションと異なる課題(政治課題)を押し付けられた
  • 使役が難しいメンバーがいる

こんなときは感情を捨て、ロジカルに考えなければなりません。

小利を見れば、即ち大事ならず

出典;論語

自分のマネジメントが滞ったり、政治問題に振り回されたり、感情論で話すことに力を使っても何もいいことは無いのです。判断の時の管理者周辺の空気が悪くなっても、「なぜこのように考えたのか」という「いつものロジック」で考えてきたことは上手くいきました。反面、情に流されたときや、感情的になったときは必ず失敗しました。

パトスからエトスへ

アリストテレスの”弁論術”で語られているレトリック(修辞学)の3つのキーワードがあります。

  • パトス;感情による説得要素。情に流され浪花節で説得できるということ
  • ロゴス;言葉の力による説得要素。ロジックや言葉の流れで説得できるということ
  • エトス;人格による説得要素。肩書きや性格で説得ができるということ

最初はパトスから始まり、自分や他人の情で説得をしていくんだと思います。そこへ経験や実績が付いてきてエトスがついてきます。しかしそれだけでは対応できないところもあり、テクニックとしてロゴスが必要になる、と私は思っています。

感情に流されない

特に技術者は「俺の技術で世界を変えてやる」的に思っている人が多いような気がします。私自身、自分の技術で何か成したいと技術者になったわけです。そうなると周囲とのコミュニケーションは”パトス”でやっていくことになります。この時期はパッションが一番大切ですね。しかしながら、ポジションが上がってくると、パッションだけではやりきれなくなります。そのターニングポイントで感情に流されずにプラス思考で自己コントロールができるかが重要になってきます。このとき、信念や信仰がある人は感情にムラが少なく、エトスやロゴスへのステップアップがスムースにできると思っています。私は無神論者ですが、軸を持っていたので感情だけでなくロジカル・シンキング(ロゴス)を使って、エトスを考えることできたのではないかと思います。

まとめ

考え方の「軸」(これはとことん熱く!)を持ちましょう。(パトス)
その上でのロジカル・シンキングのツールを活用しましょう。(ロゴス)
抑揚のない心理状態でクールに実践することでロジカルに考え実績を築くことができます(エトス)

– 7th Mar, 2016 / the 1st edition

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

広告