IT中間管理職のための攻めのキャリアアップ / Aggressive Career Progression for IT Managers. |
|
---|
|
毒食わば皿まで
”毒まんじゅう(Poisoned chalice)”という言葉が使われることがあります。上司や会社から無茶振りされて、苦労或いは失敗するとわかっていてもやる時がそれを食べるときです。どちらかというと自分は毒まんじゅうをたくさん食べて育ってきたタイプです。会社の戦略、政策として、遠回りや間違っていても、その先にイノベーションがあればよいと思うし、それが自分のプラスになればよいと思います。組織の中で生き残るために、他の人がやらないことをやってくることでキャリアアップしてきました。ところが日本の企業は年功序列によって評価が決まり失策をしなければ自動的に組織の長になれる風潮がどうしてもあります。となると、やることがこじんまりとしてしまうのは当然です。多少のリスクがあってもイノベーション、成長のために、それを乗り越える”気合い”(精神論のようなものか)は必要だと私は思うのです。
グッドリスクをつかめ
ただ、やみくもにリスクを何でも受け止めるのがよいかというと、それは違います。実際、自分は色々なリスクを背負って、様々な失敗、苦労を重ねてきました。結果として、会社の損失をかなりの額を出し、優秀な部下を何人も失い、自分自身も体調を崩しました。それでも会社の経営としてイノベーションがあれば良いと言えば良いですが、経営層を担う者は専門的な知識を持ったエキスパートであるべきで、その成長過程はきちんと考えられたものでなければならない、と本来は思うのです。つまり、とるべきリスクは”バッドリスク”ではなく”グッドリスク”ということです。どちらにしろリスクなのだから、きちんとマネジメントして、リーダーシップを発揮していくことには変わありません。そういったマインドを組織の中に根付かせるためにはどうすればよいのでしょうか。
タコツボを掘らせるな
マインドを変えるためには(大きい組織では特に)組織間の壁が一番高いまさにハードルです。日本の組織はJob Descriptionが曖昧で守備範囲が広いですが、それによって、それぞれの部署の役割を明確にして、それのみで動こうとします。組織図を見て「自分の担当はここだ」と見定めると、早速そこに穴を掘り始めます。所謂タコツボというやつです。タコツボに入られてしまうとマインドを変えるどころではなく、自分の毒まんじゅうの致死量も越えてきます。タコツボを掘らせてはいけません。
組織の壁を越えろ
ここまでくると組織論や社内政治の世界になってきます。いかにキーパーソンに効果的にアプローチして、必要なメンバーをタコツボから出し、自分のリスクをバッドリスクからグッドリスクに変えるかという活動が必要です。この時に必要になるのが、ロビートークだったり、エレベータートークとなります。つまり、キーパーソンに直接アプローチし、短時間で自分の考えをアピールし、アクションを促すのです。会社の中では、通りがかりの振りをして席に押し掛けたり、トイレの前で待ち伏せしたりします。また、喫煙者が減った昨今でも、喫煙室で情報交換されたり、決まることは本当に多いですね。
伝えるためには
自分の持論は”相手は変えられない、自分は変えられる”ですが、ロビートーク、エレベータートークでは1分程度で相手のマインドを変えるトリガを与えるところまでいかなければなりません。ポイントとしては以下です。
- 自分が言いたいことではなく結論から先に述べること
- 相手の興味を誘い「もっと聞きたい」と思わせること
- 相手への影響(大抵は良いインパクト)を伝えること
時間は限られているので言葉に尾ひれをつけてはいけません。ポイントをダイレクトに伝えましょう。
まとめ
こういった活動を経て、毒まんじゅうをじっくり味わう。
そして毒も含め自分の血肉にしてゆく。
キャリアパスを攻めていかないと自分のやりたい仕事もできないはずです。
– 23th Feb, 2016 / the 1st edition
この記事へのコメントはこちら